ひかりのおと

妊婦観察日誌改め、一児の母の探究日誌。生まれてきたぴかぴかの子どもと一緒に巡る旅の記録です。母子手帳の育児道からはかなり外れているようです。

父というもの

だんなさんの出張に伴い、実家に一週間と少し滞在した。

 

出産2週間後、一か月後、そして今回は3回目の滞在になるけれど、

ひかりさんが、ようやく人間らしく(うまい言い方が見つからないが

前2回は、首もぐらぐら、赤ちゃんの声もまだまだ小さく

表情もそこまでなく、訴えかけも少なかった)なってきて

顔も目や表情がはっきりして、

それを見た両親の可愛がり方は

こちらの想像をはるかに超えるもので、正直驚いた。

ほんとうに心底「かわいい」と思って接してくれているのがわかった。

 

ひーちゃんのほっぺの湿疹を見た父なんて

「かわいそうだなぁ」と涙を流さんばかりで

足が冷えないように湯たんぽを作り

温度を測りながらお風呂を用意し

私が疲れすぎて灰になっているときは

あやして寝てしまったひーちゃんを離すタイミングがわからず

ずーっと腕に抱いていた。

 

だんなさんの出張がひと段落し

家にもどり、夜寝ていると、ものすごい夢を見た。

(あまりに衝撃的だったので、4時に起きてこれを書いている)

 

私は何かの学校のような、あるいは職場のような場所にいて

何かの拍子に、ある欧米の長髪の男性を殺してしまうのだ。

アクシデントのような形ではあるけれど

あきらかに私が罪に問われるものであり

 

どうしていいかわからず

たしか私は凶器を隠し、物的証拠のないようにして

普通の顔で周囲の人に接する。

こころにものすごい重い石を抱えながら

告白もできず、毎日食欲もなく、どうしていいかわからないまま

時間が過ぎ、日に日に辛くなる。

しかし、

あるとき、職場のような学校のようなところに

警察から電話が入り、私は職場の人に呼び出され

「今日、警察が来るようなので、その際同席してください」

といわれるのだ。

 

「終わった.....

もう正直に言おう。

この重荷を抱えながら生きるのは無理だ...」

そう心のどこかで思うも、必死に逃げ道がないかを考えている自分がいる。

「だめだ...なんて言おう。

なんとか逃れる術はないのか。

みんなになんて思われるだろう。」

 

 

そうこうしている内に警察が来たことが分かった。

 

 

顔を上げると、、、

 

そこには手錠をした父の姿と、付き添う母の姿が在った。

一瞬よく分からず、

「なんで父がいるの?え?え?」と思いながら

顔には出さず

促された通り部屋に入った。

 

父は平然として、手錠をして、「わたしがやりました」

という顔をしてこちらを見ている。

離れて暮らしているのだから、父がやるわけないのに。

 

 

そのときわたしは電撃的に察した。

 

あぁ、、、このようだったのだ。

父にとっては、私の代わりに刑務所に入ることなど

訳のないことなのだ。

このようにして、私を今まで守ろうしてきたのだ。

そして、そうしてきてくれたのだ、と。

 

たくさんの人がそうであるように

親とはたくさんの軋轢が在って

この年までかなりたくさん大変な思いをした。

親も相当大変だったと思う。

 

わたしの生きる方向性と、親の生きてほしい方向性は真逆に等しく

たくさん心配されたし、それをうっとうしいと感じたし

どうしてわかってくれないのだ!!と憤慨した。

 

けれども、親というのは、父というのはそういうものであるのだ。

その背後に、掛値のないどうしようもないほどの大きすぎる愛が在って

それを、人間の価値観のああだこうだがあるので

わたしたちは感じ取ることができないでいるけれど

そういうものなのだ。

いまも昔もこれからもそういうものなのだ。

 

 

わたしはベッドの中で泣きながら神様の恩寵に感謝した。

(いまも書きながらボロボロ泣いている)